Fully Washed精製とは?スペシャルティコーヒーの精製方法と味わい(第1回):お薦めの豆はこちら!

ガヨマウンテンコーヒーの様々な精製方法をご紹介します。第1回はFully Washed精製です。

コーヒーチェリーからコーヒー生豆へ(コーヒーの精製)

Coffee Cherry
コーヒーは、コーヒーノキという木になるフルーツのタネを焙煎した飲み物です。コーヒーノキの果実はサクランボのような形をしていることから、コーヒーチェリーと呼ばれています。まさにフルーツですね。コーヒーチェリーは、外側にすこし硬い皮(果皮)があり、その内側に果肉があります。さらにタネ(種子)を包むように種子を包む甘くて粘着性のあるミューシレージと呼ばれるものがあります。ミューシレージは、甘くてヌルヌルしていることからハニーと呼ばれることもあります。乾燥させていない状態では、豆からミューシレージを取り除くのは大変です。ミューシレージの内側にあるのが種子(コーヒー生豆)ですが、種子はパーチメントとよばれる内果皮に包まれています。
私たちは、このコーヒーチェリーの中から種子(コーヒー生豆)を取り出し、それを焙煎して飲んでいます。
コーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出す過程を「精製」と言いますが、精製にはいろいろな方法があります。そして、同じ産地の同じ豆でも精製方法を変えると異なる味わいのコーヒーになります。
インドネシアのスペシャルティコーヒー、ガヨマウンテンコーヒーは、産地のアチェ州で精製されています。主な精製方法は4種類です。今回は、Fully Washed(水洗)製法のやり方とその味わいをご紹介します。

Fully Washed(水洗精製)とは?

Fully Washed
Fully Washed精製は、機械を使って果肉を除去した後に水を使ってミューシレージを洗い流す方法です。大量の水を使うため排水も発生しますが、機械や水の浮力を使った不良豆の選別が可能なため品質保持がしやすい精製方法だといわれています。

Fully Washed精製のプロセス

Fully Washed精製のプロセスをご紹介します。

果肉除去

Depulping
パルパーと呼ばれる機械で、コーヒーチェリーの皮(果皮)と果肉を除きます。

発酵

Fermentation
豆を水槽に12-14時間浸し発酵させます。発酵の過程で、微生物によってミューシレージが分解されます。

水洗

Washing
発酵した豆を水で洗い、ミューシレージを洗い流します。

浸水による再洗浄

Soaking
一度水から引き上げた豆を再び水に浸し、再洗浄します。ミューシレージをしっかり取り除きます。

乾燥

Drying
ミューシレージを取り除いた豆を、水分量が10-12%になるまで乾燥させます。天候にもよりますが、アチェ州では15日間程度かかります。

脱穀

Hulling
最後に脱穀で豆からパーチメントを取り除きます。これにより、Fully Washed精製によるコーヒー生豆が完成します。
この後、手作業で不良豆を除き、カッピングテストで味を確認した後、焙煎をすればコーヒー豆のできあがりです。コーヒー豆を作るのは、こんなに大変なんですね。アチェのコーヒー生産者の皆さん、お疲れ様でした。

ガヨマウンテンスペシャルティコーヒーFully Washedの味わい

Fully Washed Taste
Fully Washed精製によるコーヒーは、苦味や雑味のないクリアなフレーバーになると言われています。ガヨマウンテンコーヒーでは、スッキリしたクリーンな味わいの中に、オレンジのような味としっかりとしたコクをお楽しみいただけます。(味わい評価はスペシャルティコーヒーの外部専門家が2022年に実施)

おすすめのガヨマウンテンFully Washedはこちら!

Zikri
ガヨマウンテンコーヒーFully Washedは、アチェのコーヒー生産者でスポーツインストラクターでもあるZikriさんのお勧めです。

Zikri Fully Washed(中浅煎り)

Fully Washed (中浅煎り)
さっぱりした味わいのスタンダードなガヨマウンテンコーヒーの挑戦したい方には、Zikri Fully Washed(中浅煎り)をおすすめします。爽やかでフルーティーな上質の酸味があり、ガヨマウンテン特有の味わいをお楽しみいただけますので、ワインのように産地ごとの味わいの違いを楽しむスペシャルティコーヒー好きの方にお勧めです。Fadliさんとガヨ高原の爽やかな自然を感じてみませんか?

Zikri Fully Washed(中煎り)

Fully Washed(中煎り)
酸味のあるコーヒーが得意ではない方には、中煎りの豆をお勧めします。Zikri Fully Washed(中煎り)では、しっかりした苦みとともにガヨマウンテン特有のフレーバー(酸味)をわずかに感じることができます。Olif Wet-hulled(中煎り)では、さらに苦みとコクを味わえます。お口に合うようでしたら、ガヨマウンテンのフレーバーをより強く感じられる中浅煎りもお試しください。